極紙・プロジェクト

内容
概要 今回、カラーファイリングにチャレンジしたいと思います。題して「極紙」です。
ここでは今までの経験も含めて、独断と偏見で意見を述べたいと思います。
カラーファイリングはデジカメとは異なって「紙」を「電子化」することに関するものです。つまり「紙」という対象が違います。一世代前は「ファリング専用システム」というのが流行しました。しかし今やPCが台頭し、個人でもある程度は出来そうです。もっとも¥をかければ大きな企業にお願いすれば、それなりのシステムができると思います。ただ、それでは面白くありません。
このコーナでは、それらをどうしたら「¥をかけずに」「快適に」できるか?について考えて実践してみたいと思います。
以下は基礎知識として読んでください。
表示 「紙」を表示するには、どの程度の装置が必要なのでしょうか?
今でもメールでTiffやJpegの紙のイメージデータをもらうことがあると思います。i−FAXなどはその例ですよね。しかし、画面ではどうも読みづらいために、また紙に印刷するということが日常行われています。もっともこれはイメージに限った話ではなく、文章にしろ一旦印刷した方が見やすいために印刷します。そもそもOA化=ペパーレスのように言われていましたが、実態はその生産量が高まりこの印刷とあいまって紙の消費量は増加しているのは異論がないところです。
ブラウザがそうであるように、電子的な文字は紙に出さずに読むことがまだ我慢できます。しかしイメージはどうでしょうか?サンプリングされているために品質は内臓フォントに負けます。逆にいえば大きく読んで縮小表示してもそれなりとも言えます。ここではそれを利用して「表示装置で読める」ことを目標にします。
 紙に対して表示装置はその表示範囲が最も問題です。現在の主流はXGAです。つまりどんなにとれても1024*768dotしかとれません。これで紙(例えばA4)を視認しようとすれば、左右スクロールしてとても読む気がしません。逆に考えると、これで(ワープロのように)1方向のスクロールで読めればなんとか他のアプリと同じにできそうです。それを考えるとA4の横が1024dotに収まりかつそれが読めるということが必要です。実はこれは可能です。表示はとにかくXGAでスタートします。ここは、これを最低限として¥をかけないポリシーで行きましょう。
入力 「紙」を入力するにはどの程度の解像度が必要なのでしょうか?
紙を入力するのはスキャナですが、これは実は解像度としては十分すぎる域に達しています。ご存知の通りもし等倍であればFAXがそうであるように200dpiであれば視認できます。というか、一般的に人間が視認できるように書かれたものを読むために、その程度あれば情報は伝達できます。
「FAXの印字品質なんて!!」という前にもう少し付き合ってください。FAXは1dotが白・黒の2種類(B/W)で扱われます。しかしスキャナだけ取り出すと1dotは8bitです。これをそのまま表現すれば驚くほど綺麗です。つまり入力も表示も階調性のある装置です。問題は印刷装置にあるんです。これには階調性がないために同一の単位は通用しません。
良く600dpiや1200dpiのスキャナがありますが、実際問題はフィルムを読んで大きく拡大する場合を除いて等倍の紙ならば200dpiで十分です。しかし、驚いたことにこれが通念的に理解されている訳ではなく、透過ユニットのないスキャナですら600dpi以上が標準になっています。
200dpiでA4をスキャンした場合、それは1200万画素のデジカメと等価です。そこまでのデジカメはあっても高価ですし、そもそも「紙」を読む形態ならばスキャナの形の方が適しています。
スキャナ装置の問題は解像度にあるわけではなくスキャン速度にあります。紙をそのままバインダなどにファイルするなら数十秒で済みます。しかし、スキャンすると場合によっては数分かかります。これがやる気をなくさせる最大の問題です。しかし多くのメーカはこちらに向いた製品を出していません。業務用では存在しますが、かなり高額になります。なんとか安く・早いものを探さなくてはなりません。
さて、200dpiの場合横のサイズは1653dotです。これでは表示装置(XGA)に入りません。しかし心配は不要です。先ほど述べたように50%縮小すれば827dotで入ります。それでも読めます。ちなみに200dpi以下でスキャンすると日本語は苦しく、逆に350dpiもあれば175線に印刷並のスキャンができます。高速スキャナは150dpiのものもありますが、英文ならともかく漢字を使う日本語だと200dpiは欲しいところです。
このdpiを大きくすればそれなりに綺麗ですが、容量の問題もあります。丁度バランスしたのが200dpiという結論です。
後述しますが200dpi以上を正確に表現できるプリンタは極めて稀です。
50%表示 50%縮小で問題がないかと言えばあります。MS社はフォントでクリアタイプを開発し従来の33%で縮小しても視認できる技術を開発しました。しかしイメージでは50%が限度だと思います。というのも正確ではないですね。実験からすると、画面上は100dpiで表現しても読めるということです。つまり600dpiなら1/6にしても読めます。300dpiなら1/3、そして200dpiなら1/2です。
やってみると...「あれれ見えないぞ!!」となります。実はこのような縮小表示の方式ではWindowsのアプリの大半が(ブラウザも含めて)大半は「間引き」という手法をとります。つまり縦横で1線づつ間引く方式で高速ですがジャギー(ギザギザ)が出ます。しかも文字の場合はこれが致命的です。すごく読みにくくなります。
同じ50%を作るにしても上下左右の4dotを加算平均して表現したらどうでしょうか?B/Wでもそうですが、この手法は格段に読みやすくなります。これを高速に実現するのが、ビュアーアプリの問題です。
印刷 やっと印刷装置の話になりました。
上で200dpiと書いたら、多分「印刷装置は600dpiなのに!」という声が聞こえそうです。しかし待ってください。その印刷装置は白・黒の1pixcel2値ではないでしょうか?カラーでも3(黒を入れて4)色では?
そうなんです。つまり印刷装置だけは階調性がないものです。そもそもここらがおかしなところです。つまりあえて言うならば印刷装置の問題は階調性にあります。これを多くの(有識者と思われる)人が無視して「出力が600dpiだから入力も600dpiだ!!」と叫んでいます。しかし、この入力情報の殆どは捨てられる運命にあります。入力・表示と見ていくと印刷だけがおかしな装置です。
ちなみに印刷装置でも階調性が出せるものがあります。例えば銀塩プリンタですが、これは300〜400dpiで、仕上がりは写真品質です。
もう少し考えてみます。人間が視認できる解像度は200dpiです。それ以外の情報は写真を表現したり、文字を滑らかにするのに使われています。(画像処理がそういう観点でチューニングされるという意味です。)少ない色で写真を表現するには面積階調法というdotの塊をあわせて表現します。(新聞の写真みたいなものだとわかり易いですね。)例えば200dpi8bitを600dpi1bit(モノクロ)に変換する場合は600/200=3で3*3の面積の階調が得られます。つまり10(=9+1)階調ですね。これは200dpi8bitのもつ256階調より表現力は低下します。一般的には写真でも64(8*8)階調もあればよいとされていますから、200dpi8bitを表現するには、200*8=1600dpiのプリンタが必要です。実際に600dpiのLBPではそうできませんから、ドライバで「文字」「写真」という区別で処理方法を分けています。(かなり説明が簡略化されていますが...)
つまり200dpiのA4の画像を印刷して戻すには1600dpiのプリンタが必要です。
記憶装置 さてさて、スキャナもカラー、CRT(LCD)もカラー、プリンタもカラーとくればやはりカラーデータでファイルを作りたいものです。例えば200dpiでA4はどの程度のサイズになるものでしょうか?
結論からするとJpegでおおよそ500KByte程度になります。(被写体や圧縮率で変わります。)この程度なら実用上十分です。ちなみにモノクロB/WではTiffで約50KByteです。でもモノクロ2値に減色されていますから元には戻りませんし、所謂FAX画質です。
例えば20GByteのHDDだと4万枚入ります。個人でなくても十分ですね。
Jpegの500KB→12Mbyte展開も高速なアプリでは十分に実用になります。
結論 ・表示装置
 現在主流のXGAが前提。(要はなんでもいいので説明は省略)
・入力装置
 とにかく「高速な」カラースキャナを考えます。持っている方は、それで結構です。
・印刷装置
 再現性を重視したプリンタを考えます。無くてもかまいません。
・記憶装置
 1枚500KByteと考えてHDDを空けておきます。場合によってはMOなどの記憶装置でも良いと思います。ここでは対象外と致します。
・ソフト
 「ちゃんと読める。サクサク動く。ちゃんと使える。」ものを考えます。勿論¥が安いのが条件です。
・その他
 一応主流のCelelon400Mhz程度でサクサク動作する環境を考えます。
 「とにかく安く!!」をポリシーにする。

というのでいよいよスタートです。