JSP方式スピーカ(14)
さて、一応これで完成...というのも芸がない。
次の目標として、なんとか音バランスぐらいはヴェロダインに近づけたい。
ただあちらは3wayなので、ちょっと音響だけでは無理があるようにも感じる。
それに低音の質が全然違う。
ヴェロダインは重たい。石が落ちたような音なのだが、このBirdHouseは木が落ちた感じだ。
スチロールよりましだが、7cmという口径ではいたしかたないのかもしれない。
バックロードホンのような手はあるが、これだとエンクロージャが大型化するし、複雑になる。
低音に関して言えば、BirdHouseは負けてしまうが、中高音は妙に魅力がある。透き通った感じの音である。
エンクロージャはできてしまったので、方式としては以下の4種を検討した。
1.ダブルバスレフJSP
効果のほどは未定であるが、共振を下げることができるかもしれない。
そちらが下がれば質も期待できるかも。
2.リングダクトJSP
「リングダクト」とはここにある方式。
大雑把に言えば
・大口径で長いダクトをつける(foを下げてかつ量感も得る)
・それではエンクロージャが変な形になるのでダクトでエンクロージャの周囲を覆う
HPの図の方がわかりやすく、計算式もある。
この方式は特許申請中らしいが...。
それはともあれ、JSPが同心円状にダクトを配置しているので、JSPのダクトをこれにしてしまえば案外面白いのかもしれない。
ただ
・JSPのダクトは4本あって開口面積としても多い(と思う)
・JSPのダクト長さも奥行きのせいで長くできる(長ければよいものでもないし。)
リングダクトは長さはデザインで決まるような。後は開口面積というか。
・四角いエンクロージャだとダクトも四角で同心円にならない
どちらかと言えば丸型のエンクロージャ向き
なので、これがJSPに対してどれだけ効果があるのかという疑問になる。
何よりJSPよりよくなる要素は
「ダクトの開口面積を上げて長くできる」
ことになるが、先のようにJSPエンクロージャはまだ「余裕があるエンクロージャ」でもある。
リングダクトの利点は
・ダクトの容積がうまく始末できる
これで「口径」と「長さ」はうまくおさまるように思える。ただ普通に考えると、いくら量感を求めてもダクトの容積はエンクロージャのそれに比べると、それほど大きなわけではない。
・ダクトがシンメトリックに配置できる
一般的なバスレフは逆位相なのでスピーカ付近のダクトは避けるのだが、JSPなどは同心円にすることとfoの設定で影響が低いようだ。これもそうできる。
3.PST方式
PST(Passive Servo Technology)とは故長岡鉄男氏が命名した低域強化ネットワークで、LとRのフルタ。
ここが詳しいかな?
これはやったことがあり、効果はある...というか、効率が低音とそれ以上で変わるのでバランスを変えるというか。
全体的には中高音を抵抗でロスさせるので効率は落ちるがバランスは改善する。
安いかと言えば、回路図はともかくLなどはオーディオ用は結構する。
4.タンデム方式
タンデム方式は前段を密閉箱にして、その一部に後段のスピーカをつける方式。
前段の背圧は、後段でキャンセルされるので、無限大密閉箱になる(はず)でのびのびと鳴る。
低音も伸びるかと言えばそうでもないように思う。
またいろいろ探すと同じユニットや同じ口径であることもない。(そのほうが良いという記事もあった。また、特性上Lを入れている例も多い。)
当然、同じのもあるのだが、コイズミ無線のKitは8cmに13cmだ。
ダクトからは13cmのバスレフの音が出てくると思うので、これで多少口径は期待できる。
理論上は第一空気室は限りなく0でもいいはずだし。
2のリングダクトは
・外側エンクロージャを作る
・今のもののダクトなどを改造する
ことになりかなり大掛かりなのと、ダクトそのものが同心円にないなどちょっと不安もありパスする。
3は低域にバランスはするが、結果的には
・トーンコントロールと大差ないような。つまり質感の向上は望めない
・実際問題はここのLなどは結構高価
ということで「奥の手」風でパスする。
もしかしたらタンデム方式でも使うのかもしれないが。
結論として1(ダブルバスレフ)と4(タンデム)を実験してみることにする。
コメントはありません