イコライザ(5)
イコライザでやっていると結構いろいろわかったような気がする。
趣味としてカメラとオーディオはお金がいくらあっても足りないという。
そんな気がするが、オーディオに限っては自作とか改造というのが程度こそあれ、まだ範囲は広い。
どちらも究極はあるにしても、最後「個々人の好み」ってのがあるように思う。
ただそれにしても「最低限」みたいなものが存在して、その上に「好み」があるのだろう。
やっている感触なのだが...
・安くてもかなりなレベルでできるように感じる。
但し、アンプ+スピーカで成立させることが前提で、片方が独立してよいということにするには、かなり投資が必要だと思う。
確かにそのほうが美しいのだが、自分で聞くのでどうでもいいと思えば「アンプ+スピーカ」で成り立つものでもいいと思う。
それを前提に思うのは
【スピーカ】
・自作する。(面倒かもしれないが、多分一番安上がりで良質に思う。)
・フルレンジ1発がいい。(つながりや定位が良い。3wayでも良く出来たものはあるが、後で補正すると曲によってバランスが崩れる。)
・口径は12cmから16cmぐらいがよく、部屋にあわせて選ぶ。
FostexとかTangBandとか...。
・エンクロージャはでかくなるがJSPが良いと思う。
JSPは10cm以上を推奨しているが、自分も大きさが許すのならそれ以上がいいと思う。
8cmで2種類作ったが、やはり低音の質感がいまいちな印象だった。逆に大口径は中高音が面白くないので、16cmぐらいまでだと思う。
■スピーカはかなり重要
フルレンジの小口径だと中高音はどれもそれなりに出るように思うが低音は期待ほどは出ないと思う。
JSPは出るほうだと思うが、質感はやはり口径なりのものになる。
ポートの調整である程度は出るし、低いほうでも下がっているだけで存在はしている。
勿論、出来合いを買ってきてもいいのだが、同じ金額だと自作の方が有利に思う。(面倒だが)
それに最後、ユニットを乗せかえるのも簡単に可能だ。
【アンプ】
・中国製のD級アンプ(トライパスなど)が良いと思う。
D級はPWMでパワーが出るし、省電力、透明な音質である。
下手なアンプよりは余程音は良いと思し、@5000以下で入手できる。
■アンプはそんなに影響力が大きくない
昔ならいざしらず、今はアンプでの差異というのは大きくないと感じる。
ただ透明感というかパーカッシブフルな音に対して応答性が高いほうが透明感が出る。
D級はPWMなので基本的には瞬間的に大きな電力が出せるはず。(電源は十分大きいとして)
普段は小さい音にしても、電源容量は大きなものが良いと思う。
D級でも、メーカで若干音は変わる。尚、トライパス社は倒産してしまったが、音は良いと思う。
トライパスは、内部で後者の細工が可能で、これはとても有難いもの。
【イコライザ】
上のスピーカとアンプの組み合わせで希望する音になればいいのだが、1発でそういう音になるのはまずもって難しいように思う。
多分、普通に考えて「低音が出ない」「出てるけどいまいち」みたいな現象になると思う。
透明感からすると「何もない」にこしたことはないが、それで成立させる場合はそれこそお金がいくらあっても足りなくなる。
そこで「最低限のイコライザ」を検討する。
このあたりから普通はやらないように思うが、一番のミソにも思う。
1)測定器にて行う場合
自分の耳というより測定器であわせる手法。測定器と言ってもマイクとPCがあればいい。
それで周波数特性を測定する。
2)聴感にて行う。
この方が現実的かもしれない。
どちらにしても、この時にグライコをつける。@5000なら自作よりは安い。
手持ちの、グライコは+12dBまで補正できる。(機種にもよると思うが)
これで特性がフラット乃至自分の好みのバランスを見つける。
ポイントとしては
1)なだらかに変化させる
2)0dBのポイントを増やす
ということだろう。
急峻に変えるとどうしても曲によって不自然になってしまう。またなだらかであれば、フルレンジだとそんなに違和感は出てこない。
このあたりは非常に重要で、気に入るまでやったほうが良い。
もし+12dBで足りない場合は他をすべて-6dBとかにする。
なので最大+24dBまでできるが、そこでも足りない場合はスピーカを変えた方が良い。
(またはサブウーハをつけるとか。)
面倒なら、このままでも仕上がりになるが、グライコより素子数を少なくしたほうが透明感などは有利だろう。
その場合、自作になるが、その回路の1例は前のページにもある
みたいなものである。
トライパスの場合は内部回路で、こういう部分があるので、そこに細工すればグライコは取り払える。
面倒かもしれないがLTSpiceなどで、自分の好みの特性とあうまでやってみる。
後は、これを自作してアンプの前につければ好みの音になる。注意深く設計すれば、グライコよりは透明感も上がる。
このイコライザは「音を変えている」のではなく「スピーカの特性を補っている」ような感じである。
なので例えば、低域だけを持ち上げるとかそういう補正がよいと思う。
スピーカを組み替えるよりははるかに安価だし、好みの音バランスまで一気にたどり着く。
もし、補正が2dB程度であればPST回路も有効に思う。
それ以上になればやはり電気的イコライザが良いと思う。
・最低限の周波数のみ
・変化と連続性がなだらかである
という前提であれば、そんなに違和感がなく音バランスが保たれる。
但し、結果的にはやはり良いスピーカには及ばないと思う。
補正が大きいというのは、それからは遠ざかっているということになるが、そういうスピーカを見つけるのは至難とも思うし、¥もかかる。
次に修正すべきなのは、やはりスピーカだと思うが、個人的にはユニット口径とエンクロージャが支配的に感じている。
ある程度、口径を大きくしておけばユニットの付け替え程度で好みに近づけられるかもしれない。
口径が小さいものでも、foが低いスピーカを使えば出るにはでるが、効率も悪いためアンプで無理やり出すよう感じでパワフルなアンプが必須し、個人的には、大口径の奏でる質感に及ばない印象がある。
一方、中高音は例外なく小口径がいいように感じている。
なので、作るなら12-16cmぐらいまでがいいという印象がある。
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