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低音ブーストと低音補正

低音ブーストに関して思うこと。

一般的にスピーカーの周波数特性を適当に書くと以下になる。

下がり始めるのはスピーカーによって異なるが主に口径で決まっていて、10cmだと100Hz前後。foと呼ばれていて、コーンの重さなどでも重くなるほど低くなる。但し能率も下がり駆動力が必要になる。

で音響的に補正するとすると以下になる。
バスレフだとダクト周波数だし共鳴管ならその周波数。

うまく設計すると以下のように再生周波数がのびる。

そうでもないと以下のようになることがある。

これは量感はあるが、質感が出ないという状態。量感も大きすぎると中音が引っ込み全体的に解像度が落ちるような音になる。
逆に共振を欲張って低くするとディップが出ることになる。

でもって低音のブーストであるが一般的には

みたいにブーストされて結果は

みたいになる。

これだとやはり中音が下がるので低音も下げてしまうことになる。
低音ブーストというか補正は思うより難しいように思う。
測定してやっていけば良い点がないわけではないが、殆どの回路はブーストの値は変えられても、周波数までは変えられない。
BBEだけはある範囲で可能になっていた。サブウーハーも制御可能なものは多い。
これらにしてもまじめにやるのなら結構難しい。

それに何度か書いたが、ブーストと言ってもアンプのダイナミックレンジやスピーカーのストローク問題があって無限大でもない。かけ過ぎると歪っぽくなってくる。
それもあって嫌われているのだろう。
できれば、音響的に処理すれば歪は少ないがなかなかそうも行かない場合には低音ブーストは効果がある。ただ「後ちょっと」ぐらいだろう。
どちらかと言えば「低音ブースト」という言葉ではなく「低音補正」が適切かも。
つまり「スピーカーで足りない部分を歪まない範囲で補う」ぐらいがいい。

フラットで低音を伸ばす場合、質感が増すだけで中音とのバランスが崩れることはない。なので100Hz以上をブーストしてはいけないような。
但し、スピーカーの特性がダラ下がりしていれば効果的ではあるが、バスレフなどでストンと落ちる場合は思ったほど効果的ではない結果にもなる。

ちゃんとやればちゃんと効果があるが、ちゃんとやるのが結構難しいものだと思う。それもあって測定して自作...がいいのかもしれない。

by   at 09:00
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