単電源のバスブースタ
アンプの特性を測定しても、さすがにそれだけでは音の良し悪しがわからない。
まあ、まったくダメなものはわかるように思う。
そういう意味ではSTA540は測定しても、よくわからなかった。
測定すると確かに20Hzとか20KHzはやや減衰している。
ただ、「この程度」ぐらいにも思う。
スピーカからすれば、気にするほどでもないような。
透明感とか解像度というのは、電源の容量というか安定性という話もある。
交換したり容量を増やしたりしてみたが、どうもピンとこなかった。
結局は音のバランスが悪いのではないかと思い始めた。
高音はともかく低音をブーストしてみようと考えた。
ただSTA540はNFB回路が外部にはないのでそこで細工ができない。
やるとすれば前段にOPアンプをつないでやるのがよさそうだ。
この手は、例えばメディアプレヤーのヘッドホン端子のアンプ兼用で作成したことがある。
方式は
1.トランス昇圧する
長所)電源がいらない。(エコ!!)
短所)低域が減衰する。(トランスによる)
3-4倍が限度である。
自由な細工ができない。
バスブーストどころか減衰する。
2.OPアンプで+-の両方でやる
長所)電源が1つ。
細工が自由にできる。
DCアンプにできる。(コンデンサが要らない)
短所)負電源作成にICが必要。(このノイズ対策にコンデンサが必要)
ただし可聴周波数より高くできる。
これはバスブーストできる。
今回も2でやってもいいが、どうもこのICというのが気に入らない。
単電源でチャレンジしたくなる。
とは言っても入力が負にもなるため、一旦仮想GNDを作って、最後にまたコンデンサになる。
とにかく作ってみた。
ケースに入れるのも面倒で、足だけをつけた。
バスブーストはSWで切り替えできるようにした。ちょっと低域すぎたかも。
ブーストのフィルタはともかく、結合コンデンサが大きいし高い。
結局のところ入力と出力で大容量のが必要になる。
特に低域特性を生かすので計算するとどうしても大きくなる。
とにかく動作したので、試聴してみた。
ううむ。確かにブーストはかかる。
ただ周波数を低く設定しすぎたせいか、あまり効果も出ていないようだ。
もう少し高くしてもよさそうだが、あまり高くすると好みではなくなる。
透明感というよりは、バランスがとれてきて好みに近づいた感じでこれはこれで悪くないと思う。
そう低音が減衰していたわけでもないのだが、面白いことにこれだけで随分印象が違う。
とても高級アンプには思えないが、BGMアンプとしては実用的な感じもする。
単電源の方式は一見よさそうに見えたが、コンデンサが大きくなりそちらに面積とお金がかかるわりにDCアンプには負ける。
しかもこれだと12Vでも+-6Vで使うことになり+-12Vのものよりは不利だ。
これならDCアンプの方が安くて良かったなあ~と思う。(TT)