空を見上げて
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電流帰還アンプ

遅ればせながら電流帰還アンプを作ってみる。
理由は興味というのもあるが、BGM用としてどうかな?と思ったことから。

D級は基本はスイッチによるPWMなので消費電力が極めて小さい。
なのでBGM用としてはエコだし、いいと思うのだが、どうもこのPWMが曲者。
最終段のLPFも問題ではあるが、その前にPWMの精度がある。
つまり入力がある程度大きければPWMの精度も出るが、小さいとダイナミックレンジが下がるように思う。
つまりは大音量の方が音質が良好になる。
しかしD級アンプはスイッチなので、最終段の電圧でも下げない限り大音量からは逃げられない。
またD級アンプによっては、感度は切り替えできるので、できるだけ低感度にしておいて入力をあげたほうが精度が高そうだ。
そう考えると、秋月のD級だと5V電源だし、感度切り替えもあるので最適にも思う。

実際、ここはこれでBGMアンプとしてはなかなかだと思うのだが、音量を下げるとやはりどうしても物足りない。
一般的にはラウドネスというか低音や高音を持ち上げてメリハリをつける。
ところが、ここで電流帰還アンプも同じように動く。

スピーカのインピーダンスというのは一定ではなく、f0というか低域の共振周波数でインピーダンスがあがり、高音側でも高くなっていく。
なので電流を入力と同じにする電流帰還をかけると、低音でも高音でも電流を等しくしる方向になるため、結果的に低音や高音がブーストされる。
ただ元々スピーカそのものは定電圧駆動で設計されているので、これがいいかどうかは別問題になる。
これでナチュラルになるためには、スピーカはフルレンジ1発が望ましい。(ディップが少ない)
感想は人によって変わるというかスピーカによっても変わると思うが、小径のフルレンジなら、1度はやって損はないと思った。

結果を信じないわけではないが、手元にヘッドホンアンプ用っぽいNJM2073Dがあったので使ってみる。
先駆者もいるみたいだ。片側500mWも出ないような...。
作ってみたら周囲の部品の方がでかくなってしまった。(^^!

こんなんでいい音がするのか?と思ってやってみると、片側から音が出ない。
どうもSTA540のブリッジ接続か何かでスピーカを壊したようだ。(TT)
オープンで壊れる場合も多いが、今回はショートで壊れた。
気を取り直してスピーカを交換。
そこそこの音がする。

そうなるとジャンクスピーカではなく、まともなスピーカで聞いてみたくなる。
TangBandの8cmをJSP方式の箱に入れたものにつなぐ。
悪くないと思う。低音は軽くなったが量はある。
理論上というかfo付近は電流も流れるので低音は増強される。
高音はちょっとシャリシャリしている印象がある。
こちらはFBを工夫すれば逃げられるかもしれない。曲によっては目立つ。
ただ、この8pinのICから出てくるとは思えない音だ。
BGMならこのぐらいのラウドネスっぽい音の方がいいとも言える。
(聞いているとf0が盛大に出るので重い音がしない。JSPやバスレフのようにf0以下を期待しているものはf0の音圧があがって重い音ではなく軽くて量のある低音になるような感じ。音楽にもよるが、あわないケースもあると思う。f0が低いスピーカ-つまり大口径か重いコーン-であればいいのかもしれない。JSPなどには有効に働くわけではない。)

正直なところは好みもあると思う。
小径フルレンジを使っている場合で、小音量の場合は案外いいと思う。
割り切れば、このNJM2073Dで丁度いいような。
ケースに入れたくなった。(^^)

by   at 09:00