空を見上げて
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ファンネルダクトスピーカ

小口径でフルレンジはまとまりや定位はいいのだが、どうしても低音が不足する。
ユニットでも変わるがエンクロージャで結構変わる。
それに従って密閉からバスレフとなり、そこから道が分かれるのだろう。

・バックロードホンなども面白そうである。但し工作が難しい。

・JSP方式はバスレフよりさらに低い位置にピークがあり、量感もあるのでいいのだが、図体はそれなりに大きいのが欠点。
 これは成功例も多く非常に面白い。

・ナチュラルダクトはやってみたが、低音が出るというより中高音が引っ込むため音量を上げるとそういう印象を受ける。
 アイデアとしては面白いが、成功例をあまり聞かない。
 作ってみたが原理的なものだったし壊してしまった。

・タイムドメイン型はエクリプスを借りているので割愛
 低音を出すものではなく、音をピュアにするような方向。クリアにはなるが指向性があるようで視聴位置はピンポイントになる。
 低音を出すという意味ではエンビ管スピーカに見られる筒を足してそこから共振周波数を出すというのがある。
 ダンポールでもそこそこは増えるのだが、期待ほどではなかった。
 サブウーハを足すのも手だが、実は電流帰還アンプだと具合が良い。ただ高域も持ち上がるので疲れるかもしれない。上に向けるとバランスは良いかもしれない。
 作例は結構多くて、中高音はやはり良いとあるが低音は不足のようだ。聞く音楽次第では面白いと思う。
 
というので、まだやっていないファンネル・ダクト・スピーカを体験したくなる。
http://park11.wakwak.com/~daichi/audio/audio-home.htm
かな?
これは、バスレフのダクト(?)にロートを使うもので、下向きにする。
発案者の解説では、位相反転の音を期待しているのではなく、ユニットの低音が増強されるとある。不思議...。

作る前にまずは実験をやってみる。
・16cmのフルレンジを用意した。(ダイトーボイス)
・エンクロージャは小さめ。(9Lほど)
・エンコロージャの後面を開口(2箇所)
 ここにロートをあててみる。

何もないと、後面開放型に近く、低音は出ないがのびのびと鳴る。背圧があまりかからないので、制動が弱い反面音そのものはやわらかい。
こうやって、ある程度をふさぐとバスレフまでではないが、後面からは低音が漏れてくる。
さて、ここをロートでふさぐと...なんか密閉箱のような印象。
つまり、背圧がかかって音は締まるが低音は出ない。何もつけないほうがまだ聞いた印象では低音が出ている。
ロートの口に耳を近づけると低音がする...がそれほど大きな量感がない。

これも成功例が少なかったりするが、かなりユニットとか条件を選ぶような気がする。
想像なのだが...
・中高音は密閉型として働く
・低音も基本は密閉なのだが、多分f0の背圧に近い部分を逃がしており、そのため結果としてf0の音圧があがる。つまりスピーカのコーン振動が制動がない分ストロークが増える。
この感じからしてダブルバスレフ風ではなさそうだ。
 (作成者はスリットの音は期待していないとのこと)
のかもしれない。

空気室が狭いので一般の密閉とかバスレフの方が伸びがあるが、制動できるので歯切れはいいはず。
そういえば製作者はデジタルアンプも販売していたので、
・foの低いユニット(重たいコーン・でかいマグネット)
・密閉で制動をあげる
・低音は密閉(出ない)だが、fo付近のストロークは大きくしてやる(?)
をデジタルアンプ駆動しているのかも。

聞いた感じでも、どうもエンクロージャダクトの共振を期待しているのではないことはわかる。つまりはf0までということなのだろう。
ロートの働きは不明ではあるが、想像するにスピーカ低周波の動き(つまりは全体の動き=風圧っていうか)のみを逃がして、それ以外は密閉風に働いていてfoの制動を下げているような印象だ。ロートのダクトは細いのでfo以外は密閉というか。
であれば、ロートはどの向きでもよさそうだが...。
注)その後、ちゃんと調べると向きが逆だった。(TT)
つまりホーン風に外部に向けて開口させる。ただ短いのでホーンとしては働かないような。
「風レンズ」という説もあるが、これも外側にも流れが必要なので違うような...。
http://fe.mech.kyushu-u.ac.jp/research/wind/wind.html

ここにJSP方式との比較がある。
http://syunmei.fc2web.com/audio/CHR70/newpage1.html
ここにもあるように、JSPはf0以下にダクトから(バスレフ以下の周波数の)低音が出てくる。対して多分ファンネルダクトはf0までではないかと思われる。
この人はやはりチタンコーンのようなf0が低く制動がよく(でも能率が低そうな)スピーカをチョイスしていて、これは正解ではないかと。

つまりは、foがのびのび鳴る密閉箱スピーカってことに思えてきた。(それでもたいしたアイデアだと思うが。)
密閉箱もFostexをはじめ幾つかあるが、歯切れはいいが口径が大きくないと低音が出ない。スピーカ以外のものは使わない潔さみたいな思想と制動のきく歯切れの良さはあるが、10cmクラスだとどうなのかな?と思って16cmクラスしかない。
foの低い小口径って能率が悪く勢いアンプで頑張る図式になる。デジタルアンプだとそれもいいのだろうけど、なんだかエコでもなさそうな...。

成功例が少ないのも多分ユニットのチョイスが難しいからのように思う。
つまりは小型密閉でもそこそこ鳴るユニットでないといけないように思われる。

注)その後ちゃんと周波数測定しているサイトを見付けた。
http://pub.ne.jp/nisi/?entry_id=3036311
どうも作者の40Hzというのは聴感らしい。(^^!
http://pub.ne.jp/nisi/?entry_id=3123433
に密閉との比較もある。やはり殆どは密閉として動作しているようだ。
ダクト音も測定してあった。これも有難い。一般的なダクトに対して低域はのびていない。
バスレフ動作の測定もあるが、これはちょっと良すぎるような...。(ちゃんと自信がないと書いてある。)
低音にやや盛り上がりがあるが、これがダクトの効果なのだろう。なので基本は密閉動作っぽいような気がする。

全体として、省サイズでf0を伸ばしたのは凄いと思うが、f0までだと上にあるようにJSPには及ばないような...。(この外形は置きにくくていまいちだけど)
ってことで作成は割愛。(^^!

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