スピーカの測定すすめ
abo-xからスピーカの測定をよくやるようになった。
それでなくても「フラットな特性」を聞いたことがない場合(あるいは思い出だけの場合)、基準がわからないということになり、「今よりXXX」風で絶対基準がない。
周波数特性で全部わかるとは思わないが、少なくともバランスだけは把握できる。
その意味ではエンクロージャを自作しなくても、やっておいて損はないと思う。
測定は「簡単にできる」とあり、実際にそうなのだが「このデータは信用できるか?」という問題がつきまとうと思う。つまり「校正」になる。
確かにマイクとPCがあれば後はWS、WGなどのFreeソフトで測定ができる。
これはこれで喜ばしいことだが、いろいろとおかしくなることもある。
1.サウンドボード
これはループバックすればわかる。20KHz付近を除いてフラットに出れば十分使える。
そう思って幾つか見たらそうでないものもあった。ドライバ処理かもしれないが、そういうもののない素直なものが望ましい。
ダメな場合はUSBオーディオあたりを使うことになる。
2.アンプ
スピーカの測定なのでアンプを使うが、この特性が問題。とは言っても最近のアンプは優秀。これも素直でバスブーストなどはないのが良い。
これもループバックできし、やったことはあるが、優秀だった。サウンドボードより高価だから当然なのだろう。
ただ注意してほしいのはOTLのものはGNDが必ずしもGNDになっていない場合ループバックすると、破損する危険性がある。トランスをかませればこれは回避できるが、今度はトランスの周波数が問題になる。
なので選ぶとしたら、OTLでも片側GNDにものが望ましい。
アンプは最近のものなら信用していいので、必須ではないと思う。
3.マイク
経験からは、多分これが一番やっかい。ECM8000(ベリンガー)などが推奨されていて、確かにいいと思うが、このマイクは使う場合ファントム電源が必要だし、音楽用なのでキャノンコネクタになっている。なので必要機材を揃えるとそれなりの価格になる。とは言っても1万以下で揃う。
測定はダイナミックマイクは高音がとりにくいのでコンデンサマイクが良いと思う。
実は今までPC用や会議用のコンデンサマイクでやってみたが4つともうまく行かなかった。特性がどうもうまくあわない。これらは指向性があるとか周波数で人間の声以外を落とすなどされているような気がする。
ECM8000を買うか迷ったが、秋月電子の@100のマイクがとても良かった。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02303/
パナソニック製で20Hz-16KHzまでひらえる。特性データもある。
4.固定
これは適当でいいのかもしれないが、人間が手で持つのはちょっと。
ブームスタンドで安いものがいいと思う。一番安いのなら@2000ほどで買える。
できれば振動を避けるためカーペットの上に置いたりするといい。
で、やっと測定になるが、次に苦労するのがノイズ。
「スピーカ部分」「ダクト部分」の測定は音圧が高く周囲の音はあまりひらわないので苦労はしない。
しかし「試聴位置」の測定は普通の環境なので生活音(車の音など)をひらう。
おまけに一般住宅なので定在波も沢山出る。
アンプを大音量にすれば、確かにSNはよくなるが、それでも近所迷惑の場合も多い。特に高音は聞いていてもちょっと遠慮するような音がする。
で普通の音量にするとSNは悪い。手としては
・コンデンサマイクの電源をPCをやめて電池にする。
PCにもよるが当方の場合、これで随分ノイズが下がった。
・コンデンサマイクの後ろにアンプをつける
実はこれもやっている。というのもやはりケーブルノイズがのる。勿論電池駆動にする。
以上でほぼ測定できるようになるのだが...冒頭にように「果たしてあっているのか?」が難しい。
これをやる場合は
・特性の公開されているスピーカユニットの直前にマイクを置いて
・ダクトがあればふさいでエンクロージャを密閉にして
測定する。
つまりメーカのデータを校正用データとして利用する。
密閉で測定すると共振影響がなく、データはメーカデータにかなり近いものが出るはず。
狂っていると測定器としては使えない。
例えばこれはTangBandのデータ
密閉してスピーカを計ったデータ
このままでよくわからないので重ね合わせて見る。
5KHz以上は低下しているが、それまでは一致しているのがわかると思う。
高音の測定はそれはそれで難しい側面もある。
これだと5KHzまでの測定に関しては信用できると思う。
で、「そうならなかった場合」であるが、許容範囲であれば、自分の測定器の傾向を把握していくだけでもいい。
そうでない場合は...1つづ取り替えながら改善を行うしかない。ループバックやアンプのテストを行っている場合はマイクが主要因であると思われる。
会議用のマイクがすべてそうとは限らないが、こういう測定に向いていないものも多い。
自分のシステムをはかるのも悪くないと思う。
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