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スピーカ測定の実際

スピーカの測定の続き。

測定機材そのものは、かなり安価でもそれなりに測定はできる。
ただデータの信憑性となると、やはり校正したいところだ。
自分の測定環境が「正しいのか?」はいずれにしても気になる。
「フラットな特性」といわれても完全にそういうものはまずないので、測定器で見たほうがいいと思う。

手法は前にも書いたが、「何か特性のわかったスピーカ」が良いように思う。メーカが周波数特性を公開している場合、それは校正された測定器で測定されていると考えられる。
なのでこれを基準に測定するのだが、共振型のエンクロージャでは共振点で背圧が変化するため、ダクトはふさいで密閉にすると一致しやすい。

影響の大きいものは
・マイク
 会議用などだと、周波数特性がフラットでなく「会話が聞きやすい」ようになっている場合がある。
・サウンドボード
 これはループバックできるが、おかしな特性を示すものが存在する。
・アンプ
 滅多なことはないが、20Hz-20KHzまでそれなりに再生できること。OTLだとGNDがないのでループバック測定は難しい。
であるが設置もまた影響する。
 測定結果はメーカデータと軸をあわせて合成してみるとよくわかる。特性そのものが全くあわない場合はともかく、dbがメーカとあわない場合もある。
 この場合、どこか系のリニアリティではないかと思われるが、自分の環境が正しくは「どれだけを示すのか?」を知っていれば換算はできる。

 いろいろやったあげく、秋月のコンデンサマイクと特定PCだとかなり類似したデータになるので、今はこれを信用してもっぱらこれで採取している。

 ふりかえってみてもTangBandのデータともずれない。(高音は別)

 設置というかマイクの固定は結構面倒なのでブームスタンドを使っている。
こんな感じで測定する。

ブームスタンドはいろいろ売られているが安いものは@2,000ほどからある。
マイクの設置が自由なのでお勧め。
足は一応ゴムキャップになっているが、それでも振動をひらう場合はカーペットかスポンジを敷くといいかもしれない。

いつもは「スピーカ」「ダクト」「試聴位置」を測定する。

「スピーカ」「ダクト」はかなり近傍で採取するので、結構音量も小さくてよいし外乱影響も少なく再現性は高い。
一方、「試聴位置」は、外乱も大きいし部屋の影響もかなり出てくる。身に覚えのない定在波は殆どが部屋によるもので、カーテン(吸音材)などでも変化する。
ここが一番大事な測定ポイントになるが、測定を見ていると結構いやになる感じでもある。

部屋を変えられる人なら、それで対策できる部分もあるが、定在波ならともかくバランスが崩れている場合はそんなに簡単ではない。
そこで「スピーカ」「ダクト」の測定が物を言う。
つまり自作の場合は、そのあたりを調整できる。

「スピーカからして出ていない」のか?
もし出ていない場合はユニット交換という手がある。なるべく特性付になるとそれなりのメーカになるが、測定器があればジャンクでも測定はできる。但し望むものかどうかは別。
「ダクト」は正しく共振しているか?がわかる。
ポートを調整すれば、ディップなども防げる。設計は共振周波数を欲張って低くしてしまうが、共振しても十分な音圧がない場合もあり、上にずらすほうが量感が増す場合もある。耳でもできるが測定したほうが手っ取り早い。
一般的には「細く」「長く」すれば周波数が低下する。

こうやって調整するのが無理な場合もある。その場合は例えばバスブーストになるが、そうやっても1度は測定したほうが良い。
バスブーストしたアンプで測定して、まずはフラットにしてみる。(バスブーストそのものも、適当になると凹凸ができて、うまく設計しないとフラットにするのは難しい。そこにも使えるが...。)手っ取り早いのはグラフィックイコライザあたりでやることだし、そう高額ではない。但し、補正には限度があるので、スピーカが出ない場合「どうやっても出ない」場合もある。

そこが世の中の基準...でもないが、そうやって聞くように録音されているのだと思う。

その後、自分で好きなようにするのは別段かまわないが、「自分が標準に対してどう設定しているか?」を知っておくことは大事だと思う。
何度も書いたが、周波数特性だけですべてが決まるわけではないし、ユニットやエンクロージャで独特なものがある。共振音などは制動がゆるく柔らかい反面歯切れはよくない。
ただどういう方式やユニットを比べるにしてもバランスがフラットでないと不公平なものになってしまう。というか、フラットになれば後は「好み」ともいえる。ただ「好み」も80%の人が「この方がいい」というものは存在すると思う。

by   at 09:00
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