空を見上げて
トップページ » オーディオ » スピーカ » 絨毯スピーカー

絨毯スピーカー

絨毯スピーカーなるものがある。

系列としてはタイムドメイン系になる...と思う。

正式な作り方はよくわからなかったが、YouTubeにあった。
工作としてはすごく簡単。

1.絨毯というよりはマットを丸めてしばって、鍋敷きの上に置く
とりあえず玄関マット。

2.スピーカをその上に置く
エンクロージャから外してそのまま置いた。

 全然正式ではないと思うが、実際にも市販されている。(そちらは、かなりまともだと思う。デザインもいいし。)
 良い音ならまじめに作ろうかな?と思って聞いてみる。

 印象というと、スピーカそのものの音というか。だからクリアといえばクリア。

 測定でもそうなのだが、スピーカそのものから出る音というのは波形も綺麗だし、聞いていてもそういう印象がある。
 濁っているのは「ダクト音(ダクトがある場合)」「エンクロージャの振動音」という考え方はあるし、波形も音色もそうなる。
 タイムドメインはこれを嫌って、スピーカをゲルで浮かせていて振動をエンクロージャに伝えないようにしている。一方筒があるものは、そこが共鳴管として働いているような気がする。
 エクリプスは卵型でエンクロージャ容積は小さく、共鳴管という感じはしないが、それでもスピーカは浮いているらしい。背面にダクトはあるが、スピーカの音が支配的になっている。

 絨毯スピーカの特徴は「ソフトエンクロージャ」ということらしい。確かにソフトというか吸音材なので振動しても余分な音は出ないようだ。
 ただ平面スピーカではないので「無限大バッフル」というのはあたらないように思う。エンクロージャは有限なので同じサイズの筒ぐらいの音の干渉はあるだろうし、エンクロージャ容積そのものは小さいので背圧はかかっている音になる。固有振動数は低そうなので、音につれてエンクロージャ容積が変化するというよりは、吸音材でできたエンクロージャとして働いているように思われる。
 スピーカの固定方法がよくわからないが、ただ置いただけだとやはり不安定な気がする。小さなバッフルをつけている例もあるし、固定からすればそのほうが良いように思うが、思想からすれば「振動要素が増える」のでないほうがいいのだろう。
 低音に関して言えば、共鳴音は(一応ダクト構造なので)あるにはあるが、盛大に吸音材があるような感じになる。つまりは共鳴音はあまりしないので他のエンクロージャほどの低音は出ない。非常に柔らかい材料で笛を作ったような感じ。
 スピーカの特性がそのまま出るのに近いので、そういうユニットを選べばその能力である程度は出せると思うが、同じユニットで最適設計された一般的なバスレフのエンクロージャほどは出ないと思われる。

 まあそういう聞き方をするエンクロージャというより振動せずにピュアな音を楽しむためのものなのだろう。
 良い点は
・エンクロージャの振動がない
・定在波が少なそう(吸音だらけなので)
・製作が(多分)タイムドメインより簡単
ではないかと思う。
 ただスピーカに関してはタイムドメインのように錘をつけないまでも慣性をあげたほうが良いという話もある。音の出力時には反力があるので絨毯の変形に負けないような構造は(理想とは別に)望ましいとは思う。

...などと読んでもいいのか悪いのかさっぱりわからないのだが、タイムドメイン系を好む人には案外面白いし、絨毯の発想が凄くユニーク。
ただ、タイムドメイン系は音の純粋さを求めているので音のバランスというかそういう面は物足りない向きもあるように思う。
 勿論、そういうユニットをもってこればある程度はいけるが、小口径でも低音が出るものはウーハーっぽくなって高音が出ない傾向になる。
かと言って2wayでもないので、同軸というかコアキシャルのユニットなどがいいのかもしれない。大口径で作る手もないではないが、同じことになりそう。
 もし全く同じユニットで最適設計したら...が前提なら低音の量感は一般的エンクロージャに負けるが、質感は人次第だろう。共鳴音が少ないので歯切れがいいと思う。

 これも限られたジャンルであれば、生々しい音になり感動もあるのだがそうオールマイティでもないと思う。特にアコースティック系のソースはよさそうだ。
  まじめに作るとすると
・バッフルはまじめに作る(絨毯との密着度を稼ぐにはやはりゲルか?)
・ダクトもまじめに作る
・スピーカに慣性用の錘を工夫してつける
ぐらいはやってもよさそうだ。
 タイムドメインに近づくが、エンクロージャ素材が柔らかいというのが最大の相違だろう。共鳴を捨てて振動をとった...という感じ。
 ただ個人的な方向性とは少し違うし、エクリプスが同様傾向なのでパスすることにする。

by   at 09:00
コメント

コメントはありません

コメントを書く




保存しますか?


(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


Please enter the security code you see here