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TQWTスピーカ(15)

TQWTスピーカであるが、音の感想などをあまり書かなかった。
ユニットを変えたりしていて、試聴にたどり着くのが遅かったせいもある。

外観とか仕上げとかそういうものを除いて、機能的な特性は前にも行ってあるが、まあまあだと思う。
新しいユニットでの測定はしていないが、
・試聴位置(2m)で60Hz以上はほぼフラットな特性
・定在波のディップの少ないくせのない音色
になっている。つまりスピーカとしての基本要件はクリアしている。

TQWTの特性なのか、QWTのように共振の山が高くはないようで、テーパのせいか山は低く裾野が大きい。なのでユニットを選ばないというか、どういうスピーカでも「それなり」に鳴る。
ただ反面、劇的な効果というのはないような気がする。図体の割りに柔らかい音がする。大雑把と言えばいいのだろうか。でも、シビアなものよりかえってそこがいいような気がする。
低音の大半はダクトから出る共振音で歯切れはよくなく、やさしい音なので聞き疲れしない。
なので悪く言えば、ベースラインのしっかりしたようなジャンルの曲やフルオーケストラは苦手に思う。ウッドベースの響きに似ているかもしれない。エレクトリックベースのように固い音はしない。(ジャコ・パストリアスはフレットレスなのでまた違った音がするが...。)
正直、今の世の中では好きな人もいれば(多分アコースティックなJazzコンボなど)そうでもない人も多そうな気がする。
ユニットはといえば、今はTangBand+AuraSoundの2発が気に入っている。
エンクロージャの設計にもよるが、TQWTではどうしても開口部が大きくなる。特に今回は容積を稼ごうとして奥行きを30cmにとったため開口面積が大きい。そのために、その開口面積にあったような口径のスピーカーが望ましく16cmあたりがいいのだが、それを補う手段として10cm*2などの手法でも有効に思える。開口面積に対してスピーカーの口径が小さいと思ったような共振効果が得られないようだ。
またメインのTangBand W4-930SAは紙コーンとしてはとても良い音色がする
サブのAuraSoundのNS4-255-8Dは軽く低音を増加させていて、このブレンドがなかなかいい感じ。特に小音量で聞く場合に低音不足を感じるのをうまく補っていると思う。
好みの範疇であるがPPコーン系にはしっとりとした音色でよいものが多い気がする。

そもそも作るきっかけになったのはabo-xもあるが、以下のアルバムが出たことも大きい。
マイクル・フランクスはずっと聞いているし、こういう雰囲気は最高だ。
AORと言っているがJazzのスローなもので、ボサノバ色が強い。独特の柔らかい雰囲気が一環していて熱烈なファンも多く、当方もそう。
すごく寡作になっていてこれは5年ぶり。
本当に、これを聞くために作ったようなスピーカに思っている。

彼のサウンドも変化してきたので、全部があうとは言わないが、大半はこのスピーカは良く似合う鳴り方がすると思う。
古いが、ゲッツ・ジルベルトなどのボサノバも良く合うスピーカだと思う。
決して万能とは思わないが、ゆったりとした時をくつろぎたいのなら最高の鳴り方をする。
また今のメーカ品で(特殊なものを除けば)こういう鳴り方をするものは少ないように思う。機能的に小型化と制動を強めた結果、小さくて高性能になった反面、失ったものもあるような気がする。
大型のエンクロージャ(これも53Lある)で背圧が少なくのびのび鳴るもので、共振音が多く制動がゆるいもの...ノスタルジックな音ではあるが、人間が求めている「ぬくもり」があるような気がする。デジタル化が進みアンプもフルデジタルを使っているが、このスピーカはそれでもノスタルジックな世界を作ってくれる。
売っていないものを作るのが自作のいいところだ。そもそも売り出しても売れないだろう。3丁目の夕日ではないが、そういう世界に暖かさがあるのなら、この音も似ている。そういう音がする。
決して(図体ほど)派手な音はしないが、BGMで聞くなら最高に思える。
ピュアオーディとは違うとは思っているが、「癒される音」があるとしたらこういうものなのだろう。

最初は背面解放で大型エンクロージャを考えていたが、これもまた志向としては同じもので、メーカが目指す方向ではない。
aboさんのQWTに刺激されて作ってみたが、(自分にとっては)いいものになったと思う。
同じような音を求めるのなら、QWT・TQWTのような共鳴管は悪くない選択だと思う。

追加)
同じような人を見付けた
・TQWT
http://www.asahi-net.or.jp/~jc3t-sum/elec_etc/tqwt-sp01/index.html
の人とほぼ同じだが、幅はこの人は300mmらしい。200mmなのでこれよりスリム。床板というのは思いつかなかった。その手はありそう。
PE-16、P-610ですか...。よさそう...。
大容積のTQWTにはピッタリのような...。
ダイトーDS-16Fで高音が...だとDS-16F2でもそうなのかも。

・QWT
自分はやってないけどabo-xがそう。
http://www.asahi-net.or.jp/~jc3t-sum/elec_etc/qwt-sp/index.html
も参考になる。曲げがないのは定在波は少なく素直でいいかも。

・タイムドメイン
http://www.asahi-net.or.jp/~jc3t-sum/elec_etc/td-sp01/index.html
パイオニアのカーステレオ用12cm同軸2ウエイユニット(80W入力)で良好な低音とか。
abo-xもそうだが、ユニットで変わるし、カーオディオのものは少ない容積で低音が出る(ただ効率が悪い)ものが多い。そういう選択もあるのかも。

by   at 09:00
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