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生活保護費を考える

ブログのネタは枯渇してくるが、この手の話題は多い。
年金・健保...。それだけ問題が多いというか。
なので読む側も情報は多かったりするが、せっかくの情報発信なら自分もやってみようかな?と思ったりする。

で生活保護費が問題になっているのでその話題。
話題になっているのは「不正受給」で芸能人で発覚したためメディアが取り上げたが、ニュース性を除けば一般人では遥かに多いのだろう。

それはともかく、生活保護費は憲法の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」からきているが、そのベース算定がわかりにくい。
論点は2つあって金額の問題と審査の問題。

金額は、最低賃金との比較から議論が噴出。
・地域別の最低賃金は厚生労働省が発表している。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html
これだと大雑把に12万/月ほどなので年収としては140万。
ただこれに社会保険などがかかる。国民年金が定額で18万に、世帯主なら国民健康保険が(所得0でも)8万。
・一方、生活保護は算出が難しいがモデルケースは多々ある。
明らかな不正受給をのぞけば、ほぼ同額で12万/月程度だと思われる。
しかし、社会保険料は免除されるので実質的にはこの方が有利になる。
実際にも12の都道府県で逆転している。
なお、条件として幾つかの制約はつくがこれは「審査」なのでとりあえずはおいておく。
・もう1つ全く論点が違うが、国民年金との比較というのもある。
制度が違うのだから違って当たり前には違いないが、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」には該当しそうだ。
どのぐらいかというとこれもケースバイケースだが、 厚生労働省のモデルケース23万2千円/月ということらしい。(経営破たんの日本航空が48万/月というのも話題になったが。)モデルケースは世帯で2名なので半分にすべきか迷うが、半分なら12万ほどで同程度。
 生活保護受給がこれをオーバーしているケースもあるようだが、比較対象が世帯同士にしても条件がよくわからないが、非常に近いラインにはありそうだ。
 年金の問題は比較の土俵が異なるにしても「年金を負担せずに生活保護を受ける」という選択肢をとることが可能になる。これではまじめに年金負担を続けていること自体が馬鹿馬鹿しい。破綻寸前の年金を見ていると、「年金を納めた方が明らかに生活保護よりはよい」ことを条件としないと誰も納入しなくなるだろう。

なのでこれらを見ると現時点では
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
は実年収で120万ほどを言うようだが、ここが疑問。
というか憲法ではあるが物価も変わるので毎年これを最初に決めるべきような。
で、社会的にあるべき姿は(標準で)
最低賃金>生活保護>=憲法保証額
なので、これが崩れはじめているので不公平感が強くなる。
ついでに
年金>生活保護>=憲法保証額
でないと誰も年金を支払わない。
基本的にこの形でないと正直者が馬鹿を見る社会スタイルになって制度そのものが成立しない。
憲法保証額が今年は120万/年としているならば、生活保護費用はほぼ妥当ではある。但し、社会保険は天引きでよろしいのではないかと。結果的には計算式だけかもしれないが、破綻寸前の制度なのでしっかり収めた形で特例にしないことかと。
そうなると問題なのは最低賃金でこれが安過ぎることになる。つでに年金も安いということになるし、これは変更したらさかのぼって負担になる。
感覚的には
最低賃金*0.6=生活保護>=憲法保証額
みたいに思う。0.8なら不正しても受給するだろうし、0.7でも微妙。
この定義もはっきりさせることではないかと。
本来ならば最低賃金や年金を現状の1.4倍程度にするのが良いのだろうが...。

次に審査を考えると、これもどうも曖昧。
・所有資産
所有資産は認められないといいながらもこれも曖昧。TVはとっくにOKだし、車もOKの場合もあるし、携帯もある。PCはNGといいながらスマホならいいのか...。
また監査もできないのだろうが不平等感が大きいようだ。
・地域差
 失業率との相関はあるが地域で結構受給率が違う。一直線にならないので審査基準も違うらしく、このあたりも不公平感を招いている原因。大都市である大阪は評判どおりやはり多い。気質なのか公務員の感覚なのか...。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7347.html

 多くは、やはり「まじめに働く人」が感じる「不平等感」で、これが危険信号。ちゃんと是正しないと「正直者は損をする」構図では誰も正直にならない。

 ここまでだと評論家なので、自分の意見。
・雇用の斡旋と創出
 基本はやはり「(本人に応じた)仕事を紹介する」ではないかと。勿論ケースによっては働けない場合もあるが近年の急増を見ていると、失業保険では間に合わないのではないかと。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2950.html
 失業手当の不正も問題にはなったが、まだ就職活動を見ているだけ良くて生活保護にはそれもないようだ。もし失業期間が長期化するのであれば、雇用保険制度のほうを見直すべきかもしれない。
 ただ、それよりは雇用の創出の方が建設的だ。一方では介護関係の人員が不足している中、一方は失業してしまう。ならば国で介護施設を全国的に運営し雇用するなどの手があるように思う。「かんぽの宿」の払い下げではないがそういう施設も有効活用もできたような。
「働きたくない」というのは論外なので、基本は「働ける条件で」が原則かと。
・受給内容の審査
 議論で「現物支給」などが出るが、現実的には難しいので「給付金の使用明細開示義務」の条件をつけるべきかと。減額対象になるので精神的にブレーキがかかる。レシートなども添付してちゃんとした申告にする。なんなら「後払い」にして必要と認めたもののみ給付する。給付して自由にするので不正が後を絶たないような。
健康で働けるのであれば、後で返済義務を負うことも良いと思う。むやみに受給しなくなるだろう。
・不正の罰則の強化
今でもないわけではない。
http://www.seikatuhogo.gin-hp.com/h.html
のようにあるにはあるが、甘いのではないかと。返却は3倍だろうし、故意や警告後であれば10年の無条件給付停止でいいのかと。
不正が後を絶たない現実は、結局「働くより」「年金より」ましなわけで、今の罰則リスクよりもメリットはある...と見られていることにある。
バランスからしてペイしなくすれば誰もやらなくなる。
・認可責任
どこでもとりあげられないが、不正受給が発覚した場合に許可した人に罰則はないのだろうか?公務員のそういう体質こそが不正の温床になっているように思う。
少なくともミスには違いないわけでミスは自分の責任において処理されるのが民間的。そうなったら一緒にもみ消すのが公務員...かな?
年金問題はそうだった。ミス回復の工数は正規労働の工数と同じ賃金は支払われるべきではない。でないとミスが多いほど儲かってしまう。厳罰が鉄則なので、回復するまでは賃金の定額カットで「本来正しく行われた場合の総額」相当が無償になるまでカットし続けないと一般経営は成り立たない。

総論として、世界的に見れば日本の生活保護受給率はそんなに高いわけでもない。
生活保護そのものは憲法で保証された権利だし、必要なものだとは思うが、それを一部の不正受給やそれを助長する体勢によって不平等感がつのり制度そのものへの不信感になっている。
マスコミも不正受給の極例みたいなのをPRしているが、そうではない人も大勢いるだろう。
扇情的な内容ではなく、むしろもっと統計的なデータを準備して、ちゃんとした主張にまとめ、それを是正推進するのがマスコミの役目だと思うが...。

by   at 09:00
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