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TQWTにダクト追加

スピーカーの考察を書いていたらTQWTを改造したくなってきた。
特に気に入らないということもないが、abo-x系統に比べて図体の割りに低音が伸びない。
伯耆さんが自宅に遊びに来られた時に聞いていただいたら「低音が強すぎますね」という感想。(量感があるという意味)
特性を調べると、100Hz前後が盛り上がっているので量感はあるが、周波数は50Hz程度までがフラットという感じでそれ以下はあまり出ていない。
反省点として考えられるのは
・テーパーがきつい(急すぎる)
 このため共鳴も強くならない。反面定在波は少ない。
・同じく断面積が大きすぎる
 但し、良い部分もあって容積がとれるためゆったりと鳴る
などがあげられる。
もっとも開口部が大きいわりには洞窟風の鳴り方はしないのであっけらかんとした感じで後面開放型に近いようなおおらかな印象がある。

どうしてもなおしたいというほどではないが、確かに気になる部分もあるので簡単な改造をしてみる。
簡単と言っても物が大きいのでそれなりに面倒。
まず、断面積はあきらめる。せっかくの良さが殺されるような気がする。
abo-xにならって開口部に大きなダクトをつけてみることにする。
ダクト径は大きいほど量感が出るが振動径に対して0.2~1.0が一般的で1.0というのも現実的にはあまり見かけない。
量感を得るのと、TQWTの特徴を生かしたいのでなるべく大きな径として100φのボイド管で作成した。
容積があるので10cm程度で50Hzを狙う。

このようなダクトを2本作成した。
とりあえず実験的にMDFで作成。工作はしやすい。

見た目にはわかりにくいが、開口部にこのダクトを入れてある。
つまりこのダクトが開口部になる。

ミソというか外して戻すのは簡単にできるようにした。
ひどければ戻れるというのは何よりの安心感がある。

こんなにでかいダクトで効果はあるのか?であるが、開口面積からしても今までのものの半分になっている。
完全に乾いているわけではないが、聞いた印象。

全体的な印象としては低音の盛り上がりはかなり無くなったような印象。
開口部は元々測定しても多くの周波数が出てくる。
カノン5Dさんがいろいろ変えて測定しておられるが、これと類似した形になる。
http://kanon5d.web.fc2.com/audio/kouza34.html
この場合2.4mなので35Hzほどの計算になるが、元のスピーカーから出る35Hzの音圧自体が小さいのでそこが飛びぬけて大きくなるわけではない。ただ100Hzから35Hz近辺までの垂下が穏やかなのが共振の効果と言える。
これは開口部の特性で、これとスピーカーの直接音との合成を聞くことになるが、開口部が前面で大きいと、もろにこの波形と合成され100Hz近辺がやや盛り上がる。
当方のも例外ではなく、それが低音の量感があるという形にはなっている。
ダクトをつけると一種のフィルタとして働き、100Hzを減衰しポート周波数を増幅できる。カノン5Dさんのページには吸音材の対策もあるが、共鳴管なのであまり入れたくない。
開口部に耳をあてると、以前のような音ではなく低音でフィルターがかかったような音になっている。とは言え口径が大きいので傾向はやや残っている感じ。
低音はといえば、伸びたのかははっきりわからない。ちょっと解像度があがったような印象はあるが劇的でもない。

音の印象はといえば、以前のあっけらかんとした感じが随分おとなしくなったような気がする。優等生的になったとも言えるが、逆につまらなくなったとも言える。
以前の開口部が野放しに近いほうが、なんとなく他のスピーカーとは違う傾向の音になっていて、それが気に入っていたりもしたが、こうやるとだんだん他と似てくる。特徴は残っているのだが...。
まあ特性を求めれば、この方が良い特性になるような気がする。ただ、モニタスピーカーを作っているわけではないし、聞いてどちらが面白いかといわれると前の方が良いような印象もある。
この改造を行うとソリッドな音になって緩やかさがなくなる方向に感じる。

by   at 09:00
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